学校長より
ごあいさつ
令和6年4月
福島県立只見高等学校 校長 伊藤 靖隆
昨年、令和4年度の人事異動により、安積高等学校より校長として赴任いたしました伊藤靖隆と申します。教諭時代に山岳部の顧問を長年務めており、本校着任に際しては、平成11年5月の高校総合体育大会登山県大会で浅草岳を訪れて以来、24年ぶりに只見の地を踏むことになり、大変感慨深いものがありました。
只見町の四方には、この地の守護をつかさどるように聳え立つ只見4名山をはじめとする名峰と、それを源とする只見川の清冽な流れが変わらずにあり、心が躍る感覚がよみがえりました。それに加えて、本校は令和4年3月の春のセンバツ出場において温かいご支援を賜りましたように、地域の方々に支えられた魅力ある環境にあり、今後とも本校教育の充実発展とあわせて地域の振興を両輪で果たすべく学校経営・運営に邁進する所存ですので、よろしくお願いいたします。
さて本校は、今年で創立76年となる伝統ある地域密着型の学校です。「真摯、明朗、健康」の下、地元、只見町からの支援を受け、「小さな学校の大きな可能性への挑戦」をスローガンに、学校生活の充実と個々の生徒の夢の実現に向けきめ細かい教育活動に取り組んでいるところであります。
本校は、県立高等学校改革の一環で、令和2年度より1学年定員が40名の学校として新たにスタートいたしました。また、令和3年度からは、コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)に指定され、地域協働推進校として、新たな歩みを進めることになりました。
私は、只見高校としての使命は、大きく2つあると考えております。第一は、「本校で学ぶ生徒の多様な進路希望の実現」です。山間部に位置する只見町から親元を離れて都市部の学校に進学せずとも、生徒や保護者の進路希望に十分に対応できる校内体制をより一層推進してまいります。第二は、「地域社会に有用な人づくり」です。これを「グローカル・リーダー」と定義して、本校をグローカル・リーダー育成の拠点校として地域と地域の未来を負託していく人材育成にさらなる力を発揮していきたいと考えております。「グローカル・リーダー」とは、グローバルな視点から地域を創造し、人と人とを繋ぐリーダー性を有する人物のことです。コミュニティ・スクールの導入に合わせて「只見高生として育てたい10の力や態度」も設定しました。その中には、冒険心や企画力、協働と言ったグローカル・リーダーになるために必要なファクターが入っています。この10の力や態度を授業や部活動・各種行事などすべての教育活動を横断して実践していくことにより、グローカル・リーダーとして自立できる人材を育てていきたいと考えております。すべての生徒が3年間の高校生活で、自己の資質・能力、レジリエンス等の人間力を高め、一人一人の多様な幸せと社会全体の幸せである「ウェル・ビーイング」の実現に貢献する人材として逞しく成長するよう、日々の教育活動を大切に、本校ならではの『学びの変革』を着実に進めてまいります。
校長着任3年目を迎えた令和6年度は、これまでの変革と経験を活かし、只見町及び奥会津地域など、地元地域の振興のために貢献できる教育活動と地域の未来を担う有為な人材(グローカル・リーダー)の育成にむけて、名実ともに『コミュニティ・スクール』として、最大限のパフォーマンスが実践できるよう、学校経営ビジョンに即し、教職員一丸となって努めてまいります。
関係各位におかれましては、引き続き、本校の教育活動へのご理解とご支援をよろしくお願いいたします。